1.趣旨
■「KGAA会報 No.37(2007年8月2日発行)」に掲載した内容です。
「母校への感謝」を実現するため「KGウイング・ブルー21」を計画する
「K.G.A.A.」は、規約に「本会は会員相互の融和と親睦を図るとともに母校及び体育会の発展に寄与することを目的とする。」 と、その目指すべき道が明示されている。この目的を実現するため、私たちは学生時代に体得した 「関西学院のスクールモットー Mastery for Service」&「体育会のモットーNOBLE STUBBORNNES」を 心の糧とし、日々の活動に研鑽努力している。
当然、体育会各部の指導に関しては、各部の卒業生が、団体としてまた個人として、絶える事なき情熱を注ぎ続けている。 このことはすでに誰もが周知のことである。
今、私たち、K.G.A.A.を組織する43団体は、各部が個々に責任を持ち取り組んでいくことの重要性を共通に認識し、さらに、一致団結することにより、より高い次元へとその成果を羽ばたかせていくことを目指し、日々の活動に取り組んでいくことを目指したい。
21世紀を迎えた今、母校・関西学院大学では、様々なスポーツ振興のための諸施策が企画され実現に移されている。
その成果が、年々、形として表れている。このことは、私たちにとって喜びであり、同時に、筆舌では表し尽くせない感謝の気持ちで一杯である。
この「私たち自身の日々の取り組み」を強め、さらに「母校への感謝」を実現するため、『関西学院スポーツ・アソシエーション100周年記念事業「翔ばたけKGスポーツ ウイング・ブルー21」』(呼称「KGウイング・ブルー21」)を計画した。
「翔ばたけKGスポーツ ウイング・ブルー21」という呼び名に込めた願い
1933年 北原白秋が作詞し、同窓山田耕筰が作曲した校歌「空の翼」が発表された。以来、関西学院に繋がるすべての人々の心の琴線に響き続けた校歌「空の翼」は、喜怒哀楽、いかなる感情に飲み込まれた時でも、私たちを裏切ることなく支え続けてくれた。
創立111周年を迎え、21世紀に歴史を刻んだ母校・関西学院で、1998年12月に発行された「関西学院フロンティア21 for K.G.ATHLETIC ASSOCIATION」という冊子の中に、当時の木村正春KGAA会長が次の文章を残されています。
『校歌「空の翼」にある「風」「光」に象徴される「爽やかさ」そして「明るさ」に加えて、21世紀には「力」に象徴される逞しさと粘り強い積極性を追求しなければなりません。学術面は言うに及ばずスポーツ、文化その他の面においても「力強さ」を形成し、「活力ある関学」を確立することです。
この「21世紀に力強い関学をはばたかせる」ための起爆剤として期待されるのが、私たちの後輩「関西学院体育会」の現役諸君の活躍にほかありません。もちろん、彼らを支えるのは「マスタリー・フォア・サービス」の建学の精神と、「ノーブル・スタボネス」の体育会のモットーでしょう。「ノーブル・スタボネス」を体得している意味において、後輩たち現役同様に、私たちKGAAおよびその会員一人一人にかけられる期待も大きいと自負いたしております。』私たち関西学院に繋がるものにとって、校歌「空の翼」には、計り知れない意味が込められています。
そして、この「翼 wing」の文字には、「競技での勝利 win」と「現在進行形の語尾 -ing」が組み込まれています。この「翼 wing」に、大学で「K.G.ブルー」と呼ぶスクールカラーの「ブルー」を組み合わせることをお許しいただければ、他にはない「ウイング・ブルー」が誕生します。
21世紀の100年間を駆け抜け、22世紀には大きく世界に羽ばたいているKGスポーツのイメージを表現する造語として「翔ばたけKGスポーツ ウイング・ブルー21」(呼称「KGウイング・ブルー21」)は誕生しました。
2.期間
私たちの、この計画立案にいたる思いは先に述べたとおりである。これを実現するため、幾つかの具体的な「ウイング・ブルー21 パワー・プロジエクト」を、K.G.A.A.として企画策定していく。しかしこの「プロジエクト」を、一過性の単発的な出来事に終わらせることなく、「100年後のKGスポーツの姿」に結びつけていくため、「スタート&ランディング」のための複数年の期間が必要と考えた。
友好関係にある「関同立」の大学体育会各OB団体を見てみると、「立命館スポーツフェロー 2003年6月29日」「同志社スポーツユニオン 2004年6月5日」「関西大学体育OB会 2005年2月26日」に、各々設立50周年の記念式典またはパーティーを開催している。
K.G.A.A.における「周年」について探ってみると、この3団体よりも先に、既にこの50年の節目は通過している。しかし、その該当年に、特に記念事業等は開催していない。さらに深く探っていく中で次の3つの節目が重なってくることが判明した。
- 体育会OB倶楽部の設立を第1回総会開催日のS27年10月17日とすると、2007年10月17日をもって「55周年」となります。
- 体育会に関しては、現在の名称になった時を起点とするならば、「関西学院大学体育会発会式」の開催日がS32年5月23日となりますので、2007年5月23日をもって「50周年」となります。
- 「体育会」の前史として、戦前の「運動部」、戦後の「運動総部」がある。「運動部組織体の起源」にさかのぼるならば、明治45年に高等学部が設立され、その年の6月29日に「関西学院専門学生会」が発会式をあげ、「第1部 宗教部」「第2部 学芸部」「第3部 運動部」「第4部 音楽社交部」がその組織としてあった。
この時を、「KGAAならびに体育会の共通の起源」とするなら、2007年6月29日をもって、「95周年」となる。
そこで、大胆な発想をしてみた。つまり、私たちは60周年の大きな区切りを考える前に、来年を「KGAA55周年・体育会50年さらに関西学院のスポーツアソシエーション95周年」の重なりの時を「スタートの好機」と捉える。そして、「ウイング・ブルー21 パワー・プロジエクト」が、一過性の単発的な出来事に終わらせず、「100年後のKGスポーツの姿」に結びつけていくための「ランディング」期間を設ける。
そして、その5年後、「スタート&ランディング」期間の締めくくりとし、「KGAA60周年・体育会55年さらに関西学院のスポーツアソシエーション100周年」を迎える。
この「期間 2007年~2012年」を、『関西学院スポーツ・アソシエーション100周年記念事業「翔ばたけKGスポーツ ウイング・ブルー21」』の期間とし、「100年後のKGスポーツの姿」が、日本にとどまらず、世界で、「母校・関西学院」の名が、スポーツ界の覇者として刻み込まれる礎となるための第一歩を踏み出したい。
「100年後のKGスポーツの姿」という表現に込めた夢
簡単に100年と表現するが、「母校・関西学院」でさえ、1889年に創立され、2007年9月28日の創立記念日をもって118周年を迎える。
2100年以降の未来を幾ら想像してみたとろで、母校・関西学院がどの様に更なる発展を遂げるのか、各スポーツ競技がどの様な栄枯盛衰を繰りなしていくのか、その中で体育会の位置づけがどの様に変化していくのか等、多くの予測不可能な要件に左右されることは明白である。
今回、「100年後のKGスポーツの姿」という表現を使った真意は、無責任に100年後の姿を想像するということではない。まず、私たちが持ち続ける「KGスポーツは、過去・現在・未来永劫に、いつの時代も強くあらねばならない」の願い。そして、関西学院のスポーツアソシエーションが、誕生してから100年の節目を迎える時を絶好のタイミングと捉え、次の100年間の歩みの第1歩を確実に踏み出すことがその時の巡り合わせた者の責任と自覚したい。
その願いや自覚のもとで、具体的なアイデアを創造し、次に続く者立ちに手渡したい。今、実現不可能なことも将来役立つアイデアとなり、感謝される時がくるかもしれない。もちろん、その中で、期間内に実現できるアイデアは、速やかに実行に移していく。KGスポーツが強くあり続けるためのアイデア、そして「夢」の貯金箱を、この期間中に完成させ、100周年の節目以降の後輩達にプレゼントしたい。このような「夢」が、「100年後のKGスポーツの姿」という表現には込められています。
3.KGウイングブルー21 パワー・プロジェクト
いうまでもなく、体育会の活動は、「会員学生の自主活動」であり、「大学の課外活動」である。このことを尊重しながら、私たちは「趣旨」で述べた理念のもと、母校と共に体育会各部を支援し益々発展していくことを願ってやまない。
ただし、実現に向けては多大な経費も発生し、今すぐ対応が困難なアイデアも出てくるはず。そこで、まずは、その献策に重点を置き、少なくとも、周年記念事業期間終了時、「メッセージ&ロードマップ」を作成し、100周年後の後輩達に夢を託したい。もちろん、期間中、実現可能なプランには速やかに実施に移したい。
各プロジエクトの実現に向けては、体育会本部と協力し、母校の理解を得ながら、「調査-検討-計画-実施-実現」等のプロセスとスケジューリングを作成する。既に各部単位で様々に取り組みが進んでいるケースに関しては、直ぐにでも体育会本部で取りまとめていただけるなら、その結果をもとに各部の理解が得られた事例に関しては、パッケージングやメニュー化していくだけでも大きな1歩となるに違いない。
そして、現役とOB・OGという垣根を越え、関西学院でスポーツを心した瞬間から、Mastery for Service & NOBLE STUBBORNNESで結ばれた仲間として、共に100周年後の後輩達へのギフトを作り上げていきたい。その過程で、各部そして体育会&K.G.A.A.のより固い結束とより熱い情熱が醸造され、現役が更に大きく飛躍するパワーが産まれるに違いない。
*KGウイング・ブルー21 パワー・プロジエクト 例:その具体的なイメージ案を次に挙げる。
KGウイングブルー21 「フライ・ハイ・コンソーシアム・プロジェクト」
体育会各部の目標は、間違い無く、「より高い競技実績をあげる」ことにある。しかしながら、この強化の為の日常的な取り組みは各部の現場に委ねられている。そこで、「より高い目標に飛翔していく」ことを目指し、監督会・主将主務会・OB会長会・KGAA等が一同に会した連絡協議会を提唱する。単年度・5年後等の具体的実現目標のオープン化、目標に対する結果報告と他部からの助言、競技ジャンル別の分科会等も設け、部を越え体育会一体となっての具体的な連携、クラブ間交流などを推進、部単独ではなし得ない強化策を生み出し、2012年には「日本チャンピオン」とよばれる部を1つでも多く生み出していく企画に。
KGウイングブルー21 「ブランディング・プロジェクト」
「関西学院大学体育会は素晴らしい。」誰もがそう信じている。しかし、そのイメージは湧きにくくピントがぼけてしまう。ぼやけたフォーカスをピシッと合わせ、「KGスポーツ」ここにありを世に知らしめる。KGスポーツの理念と精神を広く認知させ社会から正しく評価を得て存在感を高め、それを自らのパワーとしていく企画に。
KGウイングブルー21 「社会貢献・プロジェクト」
関西学院大学体育会の目的はその規則第2条で「本会の目的は、学院当局と一致協力し学院建学の精神に則り人格の陶治、体育の振興を目指し、以て大学教育の一端を担い学院発展に寄与するを旨とする」であると掲げている。体育会がこの目的を達成する為のスッテプを共に歩んでいく企画に。
KGウイングブルー21 「大高中初連携・プロジェクト」
大学と、それに繋がる高等部・中学部・初等部 各部のスポーツ活動が信頼関係に裏打ちされ連携されれば、この正の連鎖は繰り返され増幅する。大学のみならず各部のさらなる勝利への飛躍に繋がっていく企画に。
KGウイングブルー21 「アーカイブ(歴史・記録保存)・プロジェクト」
アーカイブには「紙・映像・音声・電子媒体等で記録された資料」と「これら記録資料を保存・管理・公開する施設」の2つの意味がある。過去の資料収集と共に、現在進行中の活動戦績を記録化し、それを保存・管理・公開するシステムを構築していく企画に。
KGウイングブルー21 「KGAAカード・プロジェクト」
1997年8月1日の総会で、「大学における女子学生の増加と体育会における目覚ましい活躍」に応え、加えて新たな飛躍を誓っての再出発と心得、体育会OB倶楽部からK.G.A.A.に名称が変更された。当時、間近に発足50年を控え、故木村正春会長は早急にやらねばならないことを4点にまとめている。「①会員相互の親睦を更に深めること ②現役体育会各部への物心両面の支援 ③体育会各部の監督・コーチへの物心両面の支援 ④K.G.A.A.の組織の基盤強化」。強いKGスポーツ復活に必要な4点実現を支える経済的基盤確立の為、導入されたのが「所属する各部に入会手数料1人につき1000円と使用額の概ね0.25%が還元」更に「KGAAにも使用額の概ね0.25%が還元」されるKGAAカード。今、記念事業として改めて推進し未来に引き継ぐ経済的基盤を確立する企画に。
KGウイングブルー21 「スポーツ振興資金・プロジェクト」
2006年 第3フィールドが誕生。遡る。2000年 スポーツセンターが、1984年 学生会館新館竣工。今日に至るまで、母校・関西学院は様々な形で体育会を支援し続けている。母校と共に後輩達を支援する私たちの願いの一つは、体育会各部を指定した寄付を募ること。体育会各部を指定できる寄付制度の早期実現を母校に請願すると共に、導入後は、母校と共にKGスポーツ振興のための資金を募る企画に。
KGウイングブルー21 「周年記念パーティー・プロジェクト」
華やかさだけの周年記念パーティーではなく、通常の総会規模の経費範囲の中に叡智を凝縮し 「2007年はこの記念事業のスタート宣言」、そして「2012年は未来へのメッセージ発表」などの使命を実現する企画に。